睦月のおたより
2024.01.01
新年、あけましておめでとうございます。
旧年中は多くのお客様にご来店いただき、心より感謝申し上げます。本年も皆様に愛される和菓子店を目指して職人一同邁進してまいります。これまでと変わらぬご愛顧を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
1月の和風月名である「睦月」。お正月に家族や親しい人たちが集まり団欒することから、「睦び月(むつびつき)」が「睦月」になったという説が有力です。お正月をご家族やご友人と仲良くゆっくりと過ごせれば、今年も良い年になりそうです。
たむらでは新春にふさわしい上生菓子をご用意し、ご家族の団欒を彩ります。今年は「松」「竹」「梅」、「鶴」「亀」、「宝船」「鯛」のおめでたい7種と、干支である「辰」を合わせた8種をご用意いたしました。「辰」は、タツノオトシゴをモチーフとした黄色の可愛い上生菓子に仕上げました。お正月のお茶うけに、またお年賀として、おめでたい席に加えていただければ幸いです。
また、新春を祝うお菓子、「花びら餅」をご存知でしょうか。花びら餅は、明治時代より裏千家の初釜で振舞われている和菓子で、そもそもは平安時代の新年行事、「歯固めの儀式」を簡略化したものが由来とされています。ほんのりと透けるピンクが可愛らしい求肥の柔らかな食感に、ごぼうのサクっとしたアクセント、なめらかなみそ餡が全体をまとめ上げ、初春にふさわしい逸品となっております。成人の日を迎えられるご家庭の、内祝いの品としてもおすすめです。
1月20日の大寒が過ぎれば、春はもうすぐそこ。たむらでは、春の訪れを告げる「うぐいす餅」が店頭に並びます。たむらの「うぐいす餅」は、厳選した白玉粉に水と砂糖を加えた生地を蒸しあげ、さらに蜜を加えながら練り上げて、さらりとした甘さのこし餡を包みます。包む際に手ですばやく楕円形を作りながら、最後に両端をきゅっとひっぱるのがポイント。鶯色が美しい青豆きなこをたっぷりと振りかければ、うぐいすの羽色を思わせるうぐいす餅の完成です。生地と餡に甘味があるため、きなこには砂糖を加えないのがたむら流。柔らかな食感とやさしい甘味が春の訪れを感じさせてくれます。
そのほか「うららか」や「いちご大福」など、春を感じるお菓子も次々と登場します。
皆さまのご来店を、心よりお待ちしております。
店主