文月のおたより
2022.07.05
今年は梅雨の入りが早く、長雨が続くかと思えば、まるで夏のような豪雨が降ったりと、不安定な気候が続いています。それでも、少しずつ濃くなっていく木々の緑に、夏の気配を感じる今日この頃です。
そんな、夏の到来ともいえる7月の和風月名は「文月」。短冊に歌や願いごとを書く七夕の行事から「文披月(ふみひらきづき)」とも、稲穂が膨らむ頃であることを意味する「ふくみ月」から転じて「ふみづき」になったともいわれています。
月名の由来にもなっている七夕は五節供のひとつで、現在でも広く親しまれています。織姫と彦星のお話は特に有名ですね。子どもの頃に短冊に願いごとを書いて吊るした方も多いのではないでしょうか。竹笹に短冊を吊るすようになったのは、江戸時代からだといわれています。手習いをする人や寺子屋で学ぶ子どもたちが、サトイモの葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、その墨で文字を綴って上達を願ったとか。サトイモの葉は神からさずかった天の水を受ける傘だと考えられていたため、その墨で文字を綴ると字がうまくなると信じられていたようです。そう考えると、欲しいものを願うより、上達したいと思うことを願ったほうが、願いが叶いそうです。
さて、暑さが厳しくなると思い出すのが、土用の丑の日とたむらの「土用餅」。宮中行事が時代とともに形を変え、江戸の頃から厄除けの小豆餡で餅を包んだあんころ餅を食べると、暑さに負けず無病息災で過ごせるといわれてきました。
たむらの「土用餅」は、つぶ餡、こし餡、さらにずんだ餡、海苔たっぷりの醤油餅がセットになった特製土用餅。今年も7月22日(金)、23日(土)の2日間限定で、本店、長野東急店にて販売いたします。数に限りがございますのでご予約いただくのが確実です。ご用命をお待ちしております。
さらにたむらでは、夏にぴったりの涼菓「水まんじゅう」をご用意しています。ほんのりとした甘さが自慢のカスタード餡を、もっちりぷるんとした寒天由来の生地で包み込みました。淡い黄色の餡が半透明な生地からうっすらと透けてみえる様は涼し気で美しく、目と舌で涼を感じる夏にぴったりの和菓子です。冷たい緑茶はもちろん、温かいコーヒーと合わせても相性の良い涼菓をお楽しみください。
「水まんじゅう」は冷凍での販売となります。常温で30分程解凍していだだくと美味しく召し上がれます。暑い夏だからこそのの美味しさを味わってください。
店主