師走のおたより
2020.12.01
街路樹の葉もすっかり落ち、朝晩のキリリと引き締まる冷気に信州の冬の始まりを感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。お坊さんも走る「師走」は、1年の最後の月。まさに年の瀬に向かって慌ただしい日々をお過ごしの方も多いかと思います。
一年のうちで夜がもっとも長くなる冬至は、12月の節気。今年は12月21日が冬至となります。冬至は太陽の力が一番弱くなる日でもあり、次の日からふたたび太陽の力が甦ってくることから、「太陽が生まれ変わる日」ともいわれています。冬至が陰の極みで、翌日から陽に返ることから、この日を境に運が向くと考えられてきました。
冬至には、柚子湯に入ってかぼちゃと冬至がゆを食べるのが定番です。冬至がゆとは小豆を入れたおかゆのこと。小豆の赤は太陽を意味する魔除けの色として、冬至に食べて厄払いをしたといわれています。冬至がゆを作るのは大変ですので、かわりに小豆たっぷりの、たむらのおまんじゅうやお団子で厄払いをしてみてはいかがでしょう。
12月の上生菓子はクリスマスからお正月をテーマにしたものをご用意しております。さらに年末からは、初春をお祝いする花びら餅の販売が始まります。花びら餅は、明治時代より裏千家の初釜で振舞われている和菓子で、そもそもは平安時代の新年行事「歯固めの儀式」を簡略化したものが由来とされています。「歯固めの儀式」とは、齢を固めるために押し鮎などの堅いものを食べて、健康と長寿を祝う行事のことで、鮎は「年魚」とも書くので年始にふさわしく、お供えに用いられたそうです。その押し鮎に見立てられたのが、ごぼう。新たな年のお祝いに、白味噌餡にごぼうをのせてお餅で包む花びら餅で、健康と長寿を願いましょう。
年末から年始にかけ、ご挨拶でお菓子をお求めになる方も多い時期となります。たむらでは今年、「早期ご予約期間」として12月1日から20日まで、年末年始用のお菓子のご注文を承っております。20日までにご注文、お支払いを済ませていただくことで、当日はお菓子の引き渡しのみとなり、混雑した店内でお待ちいただくことも少なくなると考えております。早期ご予約期間にご注文いただきましたお客様には、特典もご用意しております。ぜひお早目に年末年始のご手配をすませ、安心して年の瀬を迎えていただければと思います。
みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
店主